犬の「肥満」によるリスク5選。対策ポイントやチェック方法など
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愛犬の健康に関する悩みはありませんか?アンケートによると、「肥満」に関する悩みが上位、続いて皮膚トラブルや歯周病などの順に悩む飼い主さんが多いようです。では、肥満に関するリスクや対策などについてはどのようなものがあるのでしょうか。
【犬の肥満による主なリスク】
1. 内臓への負担
・心臓病:循環器系に負担がかかり、心不全のリスク増大。
・糖尿病:インスリン抵抗性が高まりやすく発症率が上がる。
・肝臓疾患:脂肪肝のリスクが高まる。
2. 運動器への影響
・関節疾患:股関節形成不全、膝蓋骨脱臼、関節炎などが悪化。
・椎間板ヘルニア:特にダックスフンドなど胴長犬種は注意。
3. 呼吸・体温調節の問題
・呼吸困難:短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)は特に危険。
・熱中症リスク増加:体に熱がこもりやすくなる。
4. 生活の質の低下
・疲れやすい:散歩や遊びを嫌がるようになる。
・皮膚病:皮膚のしわやたるみに汚れがたまりやすくなる。
5. 寿命の短縮
研究では「理想体重を維持した犬は、肥満犬より平均して約2年長生きした」という報告もあります。
犬の肥満かどうかを判断するには、体重だけでなく体型チェック(ボディコンディションスコア:BCS) が大切です。獣医師もよく用いる目安を紹介します。
【犬の肥満の目安】
1. ボディコンディションスコア(BCS):1〜9段階評価が一般的(5が理想)。理想はBCS 4〜5。(肋骨が軽く触れる、腰にくびれがある、上から見て砂時計型の体型)。過体重(BCS 6〜7)は肋骨を触るのに力がいる、腰のくびれが目立たなくなる。肥満(BCS 8〜9)になると肋骨が触れない、背中・腰回りに脂肪のかたまり、お腹が垂れ下がっている。
2. 体重の目安:標準体重+15%以上 → 「過体重」、標準体重+30%以上 → 「肥満」。例)標準10kgの犬 11.5kg以上 → 過体重、13kg以上 → 肥満
3. 見た目チェックの簡易方法:肋骨がすぐ触れるか?腰のくびれがあるか?お腹が吊り上がっているか?をチェック。「体重計」だけでは判断できません。毎日のスキンシップで肋骨や腰回りをチェックするのが大切です。
肥満になりやすい犬種の特徴としては食欲が強い、運動量が少ない(短足犬種や短頭種)、加齢で代謝が落ちやすい、遺伝的に脂肪を蓄えやすい体質などが挙げられます。
【犬の肥満対策ポイント】
〇食事管理…カロリーコントロール:体重管理用フードや低カロリーのドッグフードに切り替える。おやつ制限:おやつは少量にし、できれば野菜(にんじん・きゅうりなど)を代用。量の見直し:「パッケージに書かれた量」よりも、犬の体格・年齢・運動量に合わせて調整。
〇運動習慣…毎日の散歩:短時間でも回数を増やすと効果的。遊びを取り入れる:ボール遊び、知育玩具を使った運動で楽しく消費。水泳:関節に負担をかけにくく、肥満犬にもおすすめ。
〇体重チェック…定期的に測定:1~2週間ごとに体重を計って記録。ボディコンディションスコア(BCS):肋骨が軽く触れるか、腰の括れがあるか確認。
〇 獣医師のサポート…専門の減量プランを立ててもらう。甲状腺やホルモン以上による肥満の可能性もあるため、健康診断もおすすめ。
【犬におけるカロリー目安】
◆高カロリー食品(与えすぎ注意)→少量でも体重増加になりやすい。(肉の脂身、鶏の皮、チーズや乳製品、ジャーキーやビスケットなどは意外と高カロリー。人間用の菓子は厳禁!
◆低カロリー食品(ダイエット向き)→ 低脂肪・高たんぱくで満腹感を得やすい。にんじん、きゅうり、ブロッコリーなどの野菜、りんごなどの果物(少量)、皮を取り除いた鶏むね肉やささみ、タラなど白身魚などがおすすめです。
肥満は命に関わるリスクになり得ます。日頃から食事や運動を管理し、理想体重を維持することが大切です。無理に食事量を減らすのではなく、ストレスの少ない方法で見直し、予防していきましょう(^^)